ハードルが高い要件でも
突破できる方法を徹底的に探し続ける
設計した部品が金型から外れないという課題に直面した際、どのように解決方法を導き出しましたか?
高橋:以前に発売した車種の中からオーバーハングを短くしたものはないか、過去の事例を徹底的に調べました。実は似たような事例はあったものの、今回のデザインが最も短かったため、機能性や強度を保ちながらいかに量産するかの答えを導くまでにとても苦労しました。過去の事例を参考に、先輩である落合さんや小西さんと意見を出しあいながら、何度もシミュレーションを繰り返し解決することができました。
設計の難しい局面に直面した際、どのようなモチベーションで仕事に取り組んでいますか。乗り越える秘訣があれば、教えてください。
高橋:僕は昔、格闘技をやっていて所属していたグループの全国大会で準優勝したことがあります。このときは、準優勝したことよりもむしろ優勝を逃したことで、後悔がないよう全力を尽くす大切さに気づきました。
自分にとっては、このときの経験が今の仕事にも生かされていると思います。仕事で壁にぶつかったときは、苦しくてしんどいと思うことも結構ありますが、「求められたデザインを全力で形にする」「プロジェクトをやりきる」という一心で取り組んでいます。その分、乗りきったときの達成感は非常に大きいです。
プロジェクトに取り組む上で大切にしていることを教えてください。
高橋:仕事をする上で最も大切にしていることは、チームワークです。設計の仕事は、1人ではできない仕事です。今回のプロジェクトでは、僕は一番下の立場でした。マネージャーの落合さんも小西さんも技術に関する知識が広く、僕にとっては、設計のプロとして尊敬する先輩です。職場の頼れる兄貴という存在です。
このプロジェクトを通して、どのような成長や学びがありましたか。
高橋:行動力です。現在は、新しいプロジェクトでチームリーダーを務めていますが、リーダーになって落合さんの行動力の凄さを改めて感じています。現在の開発の現場ではスピード感が求められているため、考えることばかりに時間を費やしていては、求められるスピードに応えることができません。行動することが解決のきっかけになることも、プロジェクトを通して改めて認識しました。これからは、1人の技術者としてだけでなく、チームを束ねるリーダーとしても成長していきたいと考えています。