お客様や時代が求める
新しい車の魅力が伝わるデザインを
今回のプロジェクトでデザインをご担当なさったということですが、久保さんが「GR Vitz」をデザインする上で最も大切にされたことは何でしょうか。
久保:GRは、レースの現場で培われた技術を基に、より多くの方に「車で走る楽しさ」「ワクワク、ドキドキ」を感じていただくことを追求するスポーツカーブランドです。そのため、レスポンスの良さや、意のままに操る楽しさに重視しています。走行性能である車の戦闘力を最大限に発揮するためにはどのような造形がいいかを検証しながらデザインを考え、意匠と機能の両立を目指しました。
私がデザインをする上で、最も大切にしていることは、どういう人がこの車に乗るか、ということです。想像力を働かせて、その車に乗る人のキャラクターや使用シーンに思いを馳せてデザインをアウトプットしています。工業デザインというのは、いくら独創的なデザインを考えたとしても独りよがりのものでは絶対にダメだと思います。お客様や時代が求める、車の新たな魅力が提案できるデザインでなければ成り立たないと考えています。
今回のプロジェクトの中で、トラスト・テックはどのような任務を担ったのでしょうか。
久保:トラスト・テックの設計チームには、フロントバンパーの設計をお願いしました。
今回の「GR Vitz」の設計・開発は、標準車をベースにG’sシリーズより、さらに磨きをかけたブランドとしての試みでしたので非常に苦労しました。特に、GRブランドの立ち上げとなる第1弾モデルということもあり、スケジュール的にも生産技術的にも本当に厳しいプロジェクトでした。